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2024年10月9日
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第5回「番外編~其之参~」の巻
第5回「番外編~其之参~」の巻
↑「火熨斗(ひのし)」
かつてのアイロン。この中に炭火を入れて着物などのシワを延ばしたのだそうだ。
→言わずもがな「熨斗(のし)」
“火熨斗”の語源でもあります。
因みにこの黄色(金色のではない)の細長いヤツが熨斗。
これはアワビの肉を薄く延ばしたもので、実際に「火熨斗」を使って延ばしていたそうな・・・。
(現在では上記に見立てた紙ver.が主流であります)
この鉄の塊は「湯熨斗(ゆのし)」
蒸気で着物などのシワを延ばす器具。
まつやさんは元々呉服の悉皆屋さん。
「湯熨斗仕上げ」等の作業で使用していたそうな。
因みにここでの“悉皆”とは和装に関わる全ての
作業を取扱っている事を指すのだそうだ。
この出っ張りには上部と同様に大きな金属の
輪っかが付いていたのだそう。
戦時中の鉄の拠出の際に取り外されたものだとか。
「矢立(やたて)」
携帯用筆記用具で筆と墨壷が
一緒になったもの。
チョーさん自らが
「こんな風に書いてたんや」と実践!
「象牙製の根付」
今となれば超貴重な象牙。
昔も高級素材としてセレブな方々に愛用されていたそうな。
ところで、かつて旅籠や旅館の女将さんはお客さんが所持している“根付”を見て、部屋をあてがっていたとか。
根付で懐具合や身分を図っていたそうで、俗に言う「足元を見る」じゃなくて「“根付”を見る」が実情だったらしい・・・何ともまぁ。
「象牙製の薬壷」
こちらは中国製。
表と裏に彫られた彫刻が素晴らしい逸品。
これ何だ?答えは・・・「簡易枕」であります。
無駄の無いデザイン、機能美・・・昔の職人は凄い!
旅のお供に是非!?
「弁当箱」
チョーさんが子供の頃、実際に使用していた物だそうだ。
これ持ってお花見なんてシャレてるねぇ。
「丁稚御膳」
いわゆる丁稚(でっち)クンが使用した盆と食器。
これなら上にどんどん積み上げられるので省スペースを実現!
丁稚が多いところではさぞや活躍したことでしょう。
因みに“丁稚”は上方での呼び方。江戸では「小僧」と呼んだそうだ。
「菓子箱」
螺鈿(らでん)で装飾された逸品。
剥脱している部分があって、ちと残念!?
これは何?
井戸の中に誤って落とした物を拾い上げる、
現在で言うところの“UFOキャッチャー”。
チョーさん曰く
「子供ん頃、何度か使った事があって、スイカとか拾った記憶がある」
でも「なんちゅう名前かは知らん」との事・・・。
「砧(きぬた)」
布を叩き、ツヤを出す為の道具。
語源の由来は「キヌイタ(衣板)」だそう。
まつやさんならではの道具(民具)であります。
「火鉢」
鉄製。これも戦時中に鉄の拠出で一度手放したシロモノだとか。
数奇な運命により戦後、戻ってきたという・・・。
とても珍しいケースだと言えよう。
「寛永通宝」(表)
江戸時代に広く流通した銭貨。
裏面に刻まれている“文”から
寛文時代(1661年~1672年)に
鋳造されたものと考えられます。
因みに銭形平次が投げてた銭はコレ。
裏面。“文”がしっかと刻まれております。
「ヒューズボックス」
まだ化学樹脂等が無い時代、陶器が使われておりました。
絶縁にはもってこい!な逸品であります。
中を開けるとこんなカンジ。
中央環状線の工事の際に出土した土器の破片。
縄文時代後期~弥生時代前期の頃と推定されているそうです。
「懐中時計」
ブランド、メーカーは不明。
現役バリバリ!
チョーさん曰く「恐らく130年前位のもの」だそうだ。
理由は時計右側上部にあるポッチリ。
コレがあるか無いかが見極める要素の一つらしい・・・。
裏側はこんなカンジ。
何やらとってもヨーロピアンな風景が描かれております。
見ようによってはスイスの牧歌的風景のように見えない事はない?
ムーブメント。
これといった情報の記載も無く・・・時計マニアの皆さんコレをご覧でしたら編集部までご一報を!
「握りバサミ」
現役バリバリで代々まつやさんで大事に
使用されている物だそうだ。
「100年以上前のものだろう」とのこと。
これといって銘とか刻まれていませんが、
恐らくこのマス目の刻印が製造者の印でなかろうかと推測されます。
昔の職人さんはあえてこのようなマークをさりげなく刻む事で
自身の銘としたらしい・・・やる事が粋だねぇ。